この記事の要点
  • B型の工賃は、雇用契約に基づく賃金とは異なります。
  • 厚生労働省公表の令和6年度平均工賃月額は24,141円です。
  • 算定方法が変わっているため、過去との単純比較には注意が必要です。
  • 全国平均だけでは、利用日数、作業時間、地域、仕事内容、個人差は分かりません。

B型の工賃とは

就労継続支援B型は、事業所と利用者が雇用契約を結ばない「非雇用型」の障害福祉サービスです。利用者へ支払われるものは、労働基準法上の賃金ではなく「工賃」と呼ばれます。

指定基準では、生産活動による収入から、生産活動に必要な経費を差し引いた額に相当する金額を、工賃として利用者へ支払うことが定められています。

基本的な関係

製品・サービスの売上 − 生産活動に必要な経費 = 工賃の原資

最新の全国平均

厚生労働省が公表した令和6年度の就労継続支援B型事業所における平均工賃月額は、全国で24,141円です。令和5年度実績は22,649円へ修正されています。

年度全国平均工賃月額確認点
令和6年度24,141円最新公表値
令和5年度22,649円令和8年3月に修正
令和4年度17,031円旧算定方式による公表値

これは全国の実績を一定の方法で集計した指標です。特定の事業所で必ずこの金額が支払われるという意味ではありません。

算定方法の変更に注意

厚生労働省資料では、平均工賃月額に応じた報酬体系を採用するB型事業所について、令和4年度までは前年度の「工賃支払対象者数」を分母に用いていました。令和6年度報酬改定で「一日当たりの平均利用者数」を分母に用いる方式が導入され、令和5年度実績から新方式が反映されています。

そのため、令和4年度以前と令和5年度以降の増減には、事業活動の変化だけでなく算定方法の違いも影響します。「全国平均が大きく上がった」という事実だけで、すべての利用者の受取額が同じ割合で増えたとは判断できません。

平均工賃だけでは見えないこと

一人ひとりの金額

平均値から、個人別の工賃や金額の分布は分かりません。

利用日数と時間

通所日数、作業時間、体調、支援ニーズは人によって異なります。

仕事内容と経費

製造、農業、清掃、受託作業などで、売上構造と必要経費が異なります。

本人の経験

金額だけでは、選択、達成感、役割、人との関係、将来の希望は測れません。

工賃向上を考えるときの課題

売上が単発で終わる

催事で一度売れても、継続購入や次の取引につながらなければ、安定した仕事と工賃の原資にはなりにくくなります。商品の品質、価格、原価、販路、納期を一体で考える必要があります。

生産量だけを増やせばよいわけではない

売上を増やすために、本人の体調や希望、支援上の必要性を無視して作業量だけを増やすことは適切ではありません。経済活動としての継続性と、本人中心の支援を両立させる必要があります。

数字が目的化する危険

平均工賃は重要な指標ですが、施設や本人を一つの数字だけで評価すると、利用日数の少ない人を受け入れる役割や、能力を発揮するまでの過程が見えにくくなります。

本人・家族が確認したいこと

  • 工賃の計算方法と支払日
  • 作業内容を本人が選択・相談できるか
  • 通所日数や体調への配慮
  • 工賃実績だけでなく、個別の目標をどう考えているか
  • 見学や体験で、作業環境と職員の関わりを確認できるか

個別の利用可否やサービス内容は、市区町村、相談支援事業所、利用を検討するB型事業所へ確認してください。

TEAM DiJobの考え

TEAM DiJobは、B型の平均工賃向上を活動目的の中心に置いています。ただし、工賃だけですべての課題が解決するとは考えていません。売れる商品、販売会、流通経路、gooddeedsを通じて、経済活動の中で能力を発揮できる場と、社会との接点を増やすことを目指します。

確認した公的資料

本記事の「課題」は、公表数値と制度の仕組みから、数字を理解する際の注意点として整理したものです。

B型施設の工賃と仕事づくりを考える

商品、価格、販路、販売会、施設運営について、現在の状況から整理します。B型施設からの相談は無料です。

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