- 児童発達支援は、主に小学校就学前の障害のある子どもを対象に、日常生活や集団生活に必要な発達支援等を行います。
- 放課後等デイサービスは、学校等に就学している障害のある子どもを対象に、授業後や休業日に発達支援等を行います。
- どちらも5領域を踏まえ、本人支援だけでなく、家族支援、移行支援、地域支援・地域連携を組み立てます。
- 就学時は名称を切り替えるだけでなく、子どもの意見、安心できる関わり方、支援の目標を次の生活場面へつなぎます。

まず違いを比べる
| 確認項目 | 児童発達支援 | 放課後等デイサービス |
|---|---|---|
| 主な対象 | 小学校就学前の障害のある子ども | 学校等に就学している障害のある子ども |
| 主な生活場面 | 家庭、保育所、幼稚園、認定こども園等とのつながり | 学校、家庭、放課後、休業日等とのつながり |
| 支援の時間 | 事業所の開所時間と個別の利用計画による | 授業終了後や学校休業日を中心に、事業所と利用計画による |
| 計画 | 児童発達支援計画 | 放課後等デイサービス計画 |
| 主な連携先 | 保育所等、医療、保健、相談支援、市町村等 | 学校、医療、相談支援、市町村、地域の居場所等 |
対象や支給決定は、子どもの状況と市区町村の判断によります。診断名や年齢だけで利用の可否をこの記事から判断することはできません。
放課後等デイサービスは、学校への就学が対象を考える基本です。専修学校・各種学校に通う場合には、市町村が支援の必要性を認めるなどの条件があります。年齢だけで利用開始日を決めず、就学先と通所支援の申請内容を市区町村へ確認してください。
費用は就学前後でどう変わる?
国の発達支援の無償化では、児童発達支援等を利用する子どものうち、満3歳になって初めての4月1日から小学校入学までの3年間が対象です。3歳の誕生日から直ちに無料になる制度ではありません。対象期間の無償化に新たな申請は不要ですが、サービス自体の利用申請は必要です。
無償化の対象外の期間や放課後等デイサービスでは、サービス費の原則1割負担に、所得等に応じた月額上限が設けられています。18歳未満の障害児通所支援の国の上限は、次の区分です。
| 世帯の区分 | 負担上限月額 |
|---|---|
| 生活保護受給世帯・市町村民税非課税世帯 | 0円 |
| 市町村民税課税世帯で所得割28万円未満 | 4,600円 |
| 上記以外の世帯 | 37,200円 |
所得の判定は、保護者の属する住民基本台帳上の世帯が基本です。上限額は毎月必ず払う定額料金ではなく、食費・おやつ代・教材費等の実費まで含む総額でもありません。自治体独自の軽減がある場合もあるため、受給者証の内容と居住地の制度を確かめます。
「無償化の期間はいつまでですか」「就学後の月額上限と、別に必要なおやつ代・活動費は何ですか」「欠席時や送迎で費用が変わることはありますか」と尋ね、料金表や重要事項説明書で確認してください。
共通する支援の考え方
こども家庭庁のガイドラインは、どちらのサービスも、子どもを権利の主体として尊重し、発達の過程、障害の特性、生活の状況、子どもと家族の意向を踏まえて支援を組み立てることを示しています。
本人支援
健康・生活、運動・感覚、認知・行動、言語・コミュニケーション、人間関係・社会性の5領域を関連付けます。
家族支援
家族からの相談、家庭での関わり、きょうだいを含む家族の生活を支える視点を持ちます。
移行支援
保育所、学校、地域の活動等へ支援や配慮をつなぎ、子どもが地域で暮らすことを支えます。
地域支援・地域連携
保健、医療、福祉、教育等の関係者が、本人を中心に必要な情報と役割を確認します。
領域ごとに決まった訓練を行うという意味ではなく、子どもの育ちと生活を全体として捉え、個別の目標と支援内容を関連付けるための視点です。
生活段階によって支援の焦点が変わる
児童発達支援
日常生活の基本的な動作や知識・技能、集団生活への適応等を支えます。保育所や幼稚園等との併行利用や、就学を見据えた移行支援も重要です。
放課後等デイサービス
学齢期の生活と発達を踏まえ、放課後や休業日の中で必要な支援、社会との交流、本人が安心して過ごし活動できる環境を整えます。学校との連携に加え、思春期、メンタルヘルス、卒業後を見据えた支援も関係します。
「児童発達支援は訓練、放課後等デイサービスは預かり」と単純に分けることはできません。どちらも、子どもの生活と発達に必要な支援を個別に計画するサービスです。
就学するときに引き継ぎたいこと
同じ法人や同じ建物の事業所へ通い続ける場合も、児童発達支援の受給者証・契約だけで放課後等デイサービスを利用できると考えず、サービスの種類、開始日、支給日数、契約の確認をしてください。就学に伴う申請時期や必要書類に、全国共通の締切はありません。
入学前に相談する順序
- 今の支援担当者へ希望を伝える: 学校帰りに休みたい、友達と遊びたいなど、子どもが望む過ごし方と、今うまくいっている支援を確認する。
- 市区町村と障害児相談支援へ手続きを聞く: 「児童発達支援を利用中で、来春から小学校へ入ります」と伝え、申請先・受付時期・必要書類・利用計画の見直し・受給者証の有効期間を確かめる。
- 候補の事業所と生活時間を照らし合わせる: 利用開始日の空き、曜日、学校からの移動、下校時刻が早い日の対応、春休み等の開所日を確認する。送迎の有無と範囲も個別に聞く。
- 開始前に決定内容と引継ぎを確認する: 支給決定・受給者証と契約の内容を確かめ、今の事業所、学校、次の事業所で共有する情報と担当者を相談する。
見学予約、支給決定、事業所との契約は別の確認です。見学できたことや空きがあることだけで利用開始が確定するわけではありません。予定日までに手続きや受入れが整わない場合は、市区町村と相談支援へ、開始までの過ごし方も含めて相談します。
次の担当者へ伝える情報
- 子どもが安心できる説明、予定の示し方、コミュニケーション方法
- 好きな活動、得意なこと、苦手な刺激、疲れや不安のサイン
- 子ども本人が希望していること、嫌だと示していること
- 保育所等や児童発達支援で有効だった関わりと、その理由
- 医療的な配慮、服薬、アレルギー、緊急時の対応
- 家庭、学校、放課後等デイサービス、相談支援の連絡方法と共有範囲
引継ぎは、大人同士が情報を渡すだけではありません。子どもの年齢と発達に応じて、どこへ通うのか、誰が関わるのか、何が変わるのかを本人にも分かる方法で伝え、意見や反応を確認します。
| 伝えたい場面 | 引継ぎの言葉の例 |
|---|---|
| 予定の変更 | 口頭だけでは変更に気付きにくいです。写真で「次」と「終わり」を示すと、本人が確認しやすくなります。 |
| 休憩したいとき | 疲れると机から離れることがあります。叱る前に休憩カードを見せ、静かな場所へ行きたいか本人に確かめてください。 |
| 好きな活動 | 工作が好きです。材料を二つ見せると選びやすく、選んだ後は自分で始めたがります。急いで手伝う前に待ってください。 |
「落ち着きがない」「集団が苦手」という評価だけでなく、いつ困り、何があると伝えやすいかを共有します。上の言葉をそのまま当てはめず、その子に実際に役立っている方法を確かめて伝えてください。共有先・目的・内容について保護者の同意を確認し、子どもにも分かる方法で説明します。
個別支援計画で確認すること
児童発達支援管理責任者は、子どもと家族への面談、5領域等を踏まえたアセスメント、障害児支援利用計画等を基に、事業所で行う支援の計画を作成します。ガイドラインは、子どもの意見を尊重し、年齢や発達の程度に応じて本人と保護者の意見を聞くことを求めています。
- 「利用児と家族の生活に対する意向」に、子ども本人の様子や意見が反映されているか
- 長期目標、短期目標、具体的な支援内容につながりがあるか
- 本人支援、家族支援、移行支援、地域支援・地域連携の役割が分かるか
- 支援内容と5領域の関係が、形式的な記載だけになっていないか
- 誰が、どの場面で、どのように支援するか
- いつ振り返り、変化があったときにどう見直すか
個別支援計画と障害児支援利用計画の違いは、個別支援計画とはで詳しく説明しています。
例えば園で「活動の終わりに片付ける」ことを練習していても、学校帰りには疲れて参加しにくいことがあります。次の計画では「到着後に休むか活動するかを選び、片付けの方法を写真で確かめる」のように、新しい生活で必要な支援と本人の希望を相談します。活動を増やすこと自体を目標にしないことが大切です。
事業所を比較するときの確認点
支援の目的
活動名だけでなく、その子のどの希望や生活上の必要性と結び付くのかを聞きます。
子どもの参加
活動の選択、断りたいときの伝え方、計画や振り返りで意見を聞く方法を確認します。
連携
保育所・学校・相談支援等と、本人と保護者の同意を確認して情報を共有する方法を聞きます。
安全と権利
送迎、事故、災害、感染症、虐待防止、身体拘束、苦情相談の説明を受けます。
公表情報
支援プログラム、自己評価、保護者評価を見て、見学時の説明や実際の支援と照らし合わせます。
利用条件
利用日、時間、送迎、欠席時対応、利用者負担、食費等の実費を分けて確認します。
利用までの基本的な流れ
放課後等デイサービスで聞きたい質問例では、予定の変更、学校帰りの疲れ、助けを求める方法など、子どもの生活から支援内容を確かめられます。支援プログラムや保護者評価の見方、体験後の振り返りも参考にしてください。
- 住んでいる市区町村、障害児相談支援事業所、医療機関、保育所・学校等へ相談する
- 利用を検討する事業所を見学し、支援内容と空き状況を確認する
- 市区町村へ障害児通所支援の支給を申請する
- 障害児支援利用計画案の作成等、自治体が案内する手続きを進める
- 通所受給者証の支給決定内容を確認する
- 事業所から重要事項の説明を受け、契約し、個別支援計画を確認して利用を始める
申請窓口、必要書類、計画案、支給量、利用開始までの期間は自治体や子どもの状況によって異なります。既に児童発達支援を利用している場合も、就学後の申請内容と利用計画を確認してください。
参考資料
- 児童発達支援・放課後等デイサービスのガイドライン(こども家庭庁)
対象、5領域、就学時の連携と子どもの意思を尊重する支援の基準。 - 障害児通所支援の利用者負担(こども家庭庁)
支給決定と契約、国の月額上限・所得を判断する世帯の範囲。 - 就学前の発達支援の無償化(こども家庭庁)
対象年齢・期間、対象サービスと実費の扱い。