この記事の要点
  • 出店条件、食品の手続き、費用を確認してから商品と数量を決めます。
  • 本人に接客を一律に求めず、役割・休憩・交代の方法を相談します。
  • 販売数、持帰り数、破損等を分け、現金と決済明細を照合します。
  • 売上、工賃に回せる金額の目安、現金の増減は同じではありません。
販売会の開店前に、作り手と担当者が布小物やしおりを並べ、持込商品の数を確かめるイラスト
販売会の準備をするイメージイラスト。実在の人物・商品やイベントの開催実績ではありません。

販売会で確かめたいこと

「売上を増やす」だけでなく、どの用途で選ばれるか、包装や価格のどこで迷われるか、次の注文につながるかを確認します。本人が希望する役割を経験できることも大切ですが、売上や接客の上手さだけで参加を評価しないようにします。

  • 商品: よく売れるもの、質問が多いもの、持ち帰りにくいものを知る。
  • 収支: 出店・搬入・包装等を含め、継続できる条件かを確かめる。
  • 次の仕事: 再注文や法人ギフトなど、相手が希望する用途・数量・時期を聞く。
  • 本人の参加: やりたい役割、やりやすかった工夫、休憩や交代の希望を聞く。

申込み前に主催者へ聞く

確認すること質問の例
費用と中止出店料、売上・決済手数料、備品・電源・駐車代はいくらか。中止・途中撤収時に返金や費用負担はどうなるか。
商品と手続き販売可能な商品、食品・試食の条件、提出書類と締切、許可証や保険等の確認は何が必要か。
会場と搬入区画の寸法、机・椅子・屋根・電源、車両の入場、搬入経路、保管・補充場所、撤収時刻はどうか。
売上と精算誰が会計するか。現金と端末は各施設か共通か。売上報告、手数料の明細、入金日をどう確認するか。
安全と参加休憩場所、トイレ、段差、混雑、緊急連絡先、天候悪化時の判断者は誰か。撮影・告知の範囲はどうか。

主催者に出店を認められたことと、食品の営業許可・届出等が整っていることは別です。「主催者がまとめて行う手続き」と「施設が個別に行う手続き」を分け、担当と締切を記録してください。

準備の順番を決める

  1. 申込み前: 出店要項、販売方法、費用、本人の希望、必要な手続きを確認する。
  2. 製造前: 商品・数量・表示・保管方法、費用と役割を確定する。食品は企画段階で保健所へ相談する。
  3. 前日まで: 商品と備品を数え、価格表、在庫表、交代表、連絡先をそろえる。
  4. 開店前: 商品・釣銭・決済端末、安全、表示、保管、休憩の動線を確認する。
  5. 撤収・終了後: 在庫とお金を照合し、本人の感想、商品別の収支、次の担当と期限を残す。

この順番とは別に、主催者の締切と行政手続きの日程を優先します。必要な確認が間に合わない商品を、そのまま当日持ち込まないでください。

食品は売り方から確認する

製造場所とイベント会場、包装済みの販売と現地での調理では、確認する条件が異なります。販売する食品、作る場所、温度管理、会場で行う作業を伝え、会場を管轄する保健所に必要な許可・届出・設備を確認します。

予定する扱い相談に持参する内容
包装済み食品を販売製造者、製造場所、包装、保存方法、搬入と販売中の保管。販売だけでも商品等によって届出が必要な場合がある。
会場で調理・盛付け食材、仕込み場所、加熱・提供の工程、設備図、水・手洗い・廃棄物の扱い。施設の製造許可だけで判断しない。
試食・小分け等何を、どこで開封・切分け・提供するか。通常の商品販売の確認だけで済ませず、追加の作業まで相談する。
保健所への相談例(仮の条件)

○月○日に○区の会場で、施設で製造・個包装した焼菓子を販売予定です。商品は開封せず、表示された保存方法で運搬・保管します。会場で調理する予定はありません。製造施設の許可、商品表示、保存方法、会場図を持参します。販売時の届出等と設備について確認したいです。試食を追加する場合は、開封・提供方法も改めて相談します。

福岡市の臨時営業では、取扱食品・工程に制限があり、事前相談が案内されています。営業日の2週間前を目安に書類を提出し、臨時営業は窓口で申請する案内です。企画段階で相談し、仮設営業との違いも確認してください。他地域の締切や設備基準へ、この日程をそのまま当てはめないようにします。

表示と保存の確認

  • 商品・提供方法に応じて、原材料、アレルゲン、期限、保存方法、製造・表示上の責任者等を確認する。
  • 箱や帯、値札を追加しても、必要な表示を隠さない。個包装だけを渡す場合はその状態を確かめる。
  • 原材料情報は製造者の最新情報で確認し、分からない質問には推測で答えない。
  • 搬入・販売・持帰りまで表示された保存方法を守る。開封後まで表示期限の安全性・品質が保証されるわけではない。
  • 誤表示、破損、温度管理の異常が疑われる商品は販売を止め、責任者へ連絡する。

許可・届出と食品表示は別の確認です。具体的な表示や営業の可否は、所管窓口と製造・販売事業者に確認してください。

商品と数量を絞って決める

来場者、時間帯、価格帯、保存・持帰りやすさから、何を選んでもらう売場かを決めます。過去の実績がなければ完売を前提に大量製造せず、施設の通常販売へ戻せるか、期限や保管場所を確保できるかも検討します。

  • 商品ごとに、価格、持込数、追加補充数、販売数、持帰り数、破損・廃棄等を残す。
  • セットにする場合は、中身の在庫、包装費、表示、単品との数え方をそろえる。
  • 値引き・セット価格の決定者を決め、当日途中で変える場合は時刻と数量を記録する。
  • 欠品と売れ残りの両方を振り返り、次回の数量や補充方法を調整する。

出店料・搬入・手数料を含む価格の考え方は、授産製品の販路別の費用で確認できます。材料代だけを引いた額を、そのまま工賃に回せる金額と考えないようにします。

商品を選びやすい売場にする

商品名、価格、使い方、素材や容量などを短い言葉で示します。「福祉施設で作ったから」だけで勧めず、味、品質、使いやすさ、デザイン、作り手の工夫を伝えましょう。

  • 立った人だけでなく、座った人や子どもからも商品と価格が見えるか。
  • 口頭説明が難しいとき、商品カードや指さしで選べるか。
  • 在庫箱、電源コード、看板が通路や避難の動線をふさがないか。
  • 商品を手に取る場所、会計、袋詰め、補充の動きが交差しすぎないか。

施設や作り手を紹介する写真・発言・作品は、本人等の同意や権利、公開する媒体と範囲を確認します。販売への参加と、顔・氏名・障害に関する情報の公開は別に考えてください。

役割・休憩・交代を相談する

本人には、参加する・しない、接客以外の役割、途中で休むことも選べるように説明します。音や人混み、移動、立ち時間、休憩場所、困ったときの合図と連絡相手を個別に確かめます。

担当決めておくこと
全体の責任者主催者との連絡、販売停止・撤収の判断、事故時の対応。休憩中の代わりも決める。
接客・商品説明本人の希望、説明カード、答えられない質問の引継ぎ。無理な声かけを一律に求めない。
補充・準備商品カード、袋の準備、在庫の補充、販売数の記録など、選べる工程と交代方法。
会計・保管決済操作、領収書、返金の承認、現金と端末の管理、終了時の照合。
交代の決め方の例

「接客を続けられるまで頑張る」ではなく、本人と参加時間と休憩の目安を相談します。疲れたら決めたカードや言葉で伝え、補充担当へ替わる、静かな場所で休む、早く帰るなどの選択肢を確認します。本人の了解なく撮影・広報へ参加を広げないようにします。

販売を止めるときの判断

食品の保管異常、強風や雷、体調不良、通路の危険、会計の不一致等が起きたら、担当者だけで抱え込まず責任者と主催者に連絡します。商品を分けて販売を保留する、交代する、閉店・撤収する条件を事前に決め、売上のために安全確認を省かないようにしてください。

当日の持ち物チェック

区分用意するもの
商品・表示商品、価格表、説明カード、必要な食品表示、持込・補充・残数を記入する在庫表。
売場・搬入会場で認められた什器、掲示、固定用具、筆記具、台車、搬入・撤収の案内。電源等は使用許可を確認。
会計釣銭、管理用の金庫等、決済端末、充電器、領収書、集計表。通信と決済の確認方法も共有。
包装・保管袋、箱、緩衝材、保管容器。食品は必要な温度管理・衛生用具、記録表と設備。
参加・連絡担当・交代表、休憩場所の案内、緊急連絡先、会場図、必要な支援用品。個人の健康情報は適切に管理。
次の注文施設・商品の案内、名刺、問い合わせ先、読み取れるQRコード。数量・納期が未定なら即答を約束しない。

開店前には商品と釣銭を数え、担当者を替えても価格・値引き条件・保管方法が一致するか確かめます。屋外設備の固定方法や食品の設備は主催者・所管窓口の指示に従い、この持ち物だけで条件が整うとは判断しないでください。

在庫と会計を照合する

現金、キャッシュレス、主催者による一括精算を分けて記録します。決済が完了したかを確認し、現金・端末を無人の売場へ放置しないようにします。お客様の連絡先は用途と必要な項目だけを預かり、売場に置いた名簿や写真で公開しないでください。

商品数と釣銭の計算例

仮の条件として、単価500円の商品を50個持ち込み、10個補充します。40個を販売し、破損で販売しない商品が2個、持帰りが18個。値引き・返品・試供品はなく、全件現金で受け取るものとします。

数と現金は別々に確認

商品数: 50個 + 補充10個 = 販売40個 + 破損2個 + 持帰り18個。合計60個で一致します。
売上: 500円 × 40個 = 20,000円。
現金: 開始時の釣銭10,000円 + 現金売上20,000円 = 終了時30,000円。売上は30,000円ではなく、釣銭を除いた20,000円です。

現金で返金や経費の支払い、途中の回収があれば、その額も記録して差引きます。数が合わないときは、補充、セット販売、値引き、返金、破損等の記録を確認し、推測で販売数を書き換えないでください。キャッシュレスの売上と、手数料を引いた後日の入金額も区別します。

売上・経費・現金を分ける

販売会の振り返りでは、売上のほか、材料・包装・出店・搬入・手数料・破損等を確認します。利用者工賃を除く生産活動経費を引いた計画上の工賃原資と、会計上の利益や当日の現金残高を混同しないようにします。

売上2万円でも現金の増分が0円になる例

上の60個について、1個当たりの材料・包装等を250円、出店・搬入等を5,000円と仮定します。利用者工賃、税の影響、他の経費は含めず、持帰り18個は次回販売できる在庫として扱えるものとします。実際には設備等の配分や在庫の評価を会計担当者に確認してください。

確認する数字計算
工賃原資の目安売上20,000円 − 販売40個分10,000円 − 破損2個分500円 − 出店等5,000円 = 4,500円。
残った在庫18個 × 250円 = 4,500円。売上ではなく、次回以降に売れるかと保管・期限を確認する。
現金の増減60個分15,000円と出店等5,000円を今回すべて現金で払い、売上20,000円を受け取れば、増減は0円。開始時の釣銭は売上に含めない。

工賃原資の目安があっても、支払いに使える現金が増えているとは限りません。また、在庫が期限切れ等で販売できなくなれば再計算が必要です。実際の工賃は事業全体の収支と工賃規程等で確認し、この4,500円を個人へそのまま支払う額としないでください。帳簿では工賃自体も費用になるため、二重に控除しないようにします。

次回に変えることを1つ決める

  • 売れ残りが多い: 製造数・品数・補充、期限、持帰り後の販売先を見直す。
  • 売れても原資が少ない: 価格だけでなく、包装・搬入・手数料・出店条件を比較する。
  • 説明で迷われた: 質問と用途を残し、商品カードや包装を変えて次回確認する。
  • 本人の負担が大きい: 役割、時間、休憩、移動、支援体制を本人と見直す。参加しない選択も保つ。

記憶が新しいうちに、数字と本人の感想、次の担当・期限を共有します。施設全体の目標へつなげる際は、工賃向上計画の担当・期限・判断条件も使えます。法人から相談があったら、法人ギフトの発注条件を確認し、対応の可否を持ち帰って回答します。

TEAM DiJobの販売会の取組は、あんしんだいじょーぶマルシェの案内でご覧いただけます。

販売と商品の悩みを相談する

B型施設からの相談は無料です。現在の商品、販売方法、出店時の困りごとから、商品開発・販路・運営改善についてご相談いただけます。

施設向け支援と無料相談を見る

参考資料

資料確認日: 2026年10月25日。食品表示・会計の説明は全国共通の資料、臨時営業の日程等は福岡市の案内です。開催地の手続き、商品別の表示、法人の会計・税務は、所管窓口・会計担当者・専門家へ確認してください。